冷蔵庫の奥の方に、なんかぐずぐずの緑色の塊がありまして。
なんだろなぁって思って出してみたら、案の定フイルムでした。
8mmのフィルムが何本かあるのは知っていましたが、どうやらこれはFujiの35mmのようです。
我が家の冷蔵庫は奥の方が冷凍庫並みに冷えると言う優れもの。そのために奥の方に追いやられたモノたちは、冷凍庫同様の極寒の地で”霜降り”の目に遭わされているのでした。
霜がついて、たまに冷蔵庫の開閉があると多少は温度が上がるため、それが解けてと繰り返していれば、紙製のフィルムパッケージなんてどろどろになるのは、これ自然の摂理です。
しかし、冷蔵庫で保管されているフィルムは多少長持ちしますから、こんなところで未使用のフィルムを見つけるとちょっとお得な気分ですね。
FujiFilmのフィルムなんて滅多に使わないから、なんのフィルムかなと、パッケージの名前を見て、ちょっとビックリ。
「Minicopy Film HR-II」
…。
なんじゃそりゃ?
モノクロフィルムには違いないですが、驚くべきは、その感度。
なんと、
ISO感度”6”
「6」です。
今時のレンズ付きフィルム(いわゆる「写るんです」)とかでも大体ISO400~800といったところです。
ISO6で何を撮れというのでしょうか?花火なんて絶対に写らないですよ。
「文書・図面・地図などのマイクロ複写用フィルム」
だそうです。納得です。
そーゆー特殊用途のフィルムなんですね。現像指定されている「コピナール」って現像液もかなり笑える名前で素敵。
調べてみれば、まだ売ってるしこれ
(2012年追記:現在は販売されておりません。)
しかし、なんでこんなヘンなフィルムが平然と我が家の冷蔵庫に入っているのでしょうか?
ああ、うっすらと思い出しました。
昔、ある映画の撮影をお手伝い(メインのカメラマンが来られないときに臨時でお手伝い)するときにその撮影で特殊なハイコントラストフィルムを使用するので、露出感覚と仕上がりの予測をつけるために練習用に買ったんですな(たぶん)。
さがしてみれば、そのときに撮影した画を発見。
ハイコントラストフィルムとは言うものの、相当な光量を得られないと汚い濃いグレーになってしまうみたいです。
確か、映画の方のテスト撮影でもなかなか思う通りの仕上がりにならず監督が困っていたような記憶があります。そりゃそうですね。映画のカメラじゃ演技のある撮影ではシャッター速度変えられませんからね。多少は焼きでなんとかするんでしょうけれど。
試写を見たときには大半が普通のフィルムで取り直されていたように見えましたが、実際のところはどうだったんでしょうかね?
ちなみに別の映画ではその逆(ハイコントラストで明部飛ばすのではなく暗部のみを潰す)をするために、役者さんをドーランで真っ黒に塗ったことがあ ります(笑)。そのときはフィルムは普通のTry-Xかなんかでオーバー気味に撮影して減感したのではないかと思いますが、もううる覚えです。
いや、懐かしいですね。秋の訪れを感じつつ
冷蔵庫そろそろ大掃除した方がいいな…。